骨祖しょう症は猪名川町のやながわ整形外科リハビリクリニック

やながわ整形外科リハビリクリニック 整形外科・手外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗しょう症

072-765-2020

骨粗しょう症

骨粗しょう症とは

骨祖しょう症は、骨量(骨の質量、カルシウムやコラーゲンなど)が減少し、まるでスポンジのように骨がスカスカになることで、骨が脆くなる疾患を言います。主な原因は加齢やカルシウム不足をはじめ、運動不足、喫煙や飲酒、閉経(女性ホルモンの減少)などです。
骨粗しょう症になると、少しの衝撃でも骨が折れやすくなり、「骨折リスク」が高くなってしまいます。さらに、骨粗しょう症による骨折から「要介護状態」になるケースもみられるなど、大きな問題になることもあります。

骨量は20~30代をピークに減少

骨量は骨密度(単位体積あたりの骨量)とも言われ、20~30歳頃の若い時期をピークに加齢と共に減少していきます。骨量の減少については老化に伴い骨をつくる細胞の働きが弱まったり、刺激を与える運動量が減ったりすることなどが原因で減少すると言われています。
骨量の減少による自覚症状はありません。気づいた時には、背骨が体の重みでつぶれたり、背中や腰が曲がったり・痛んだり、変形による圧迫骨折を来たしたり、ちょっとした転倒で骨折をするといった事態を引き起こしていたということもあります。なかでも足の付け根の骨(大腿骨近位部)を骨折すると、体を支える機能が損なわれてしまうため、要介護状態にもなりかねません。
しかし、専門的な治療や適切な生活改善を行えば、骨密度の減少を改善し、骨折リスクを大幅に減少させることが可能です。

女性は50歳になる前に一度検査を

骨粗しょう症は、高齢の女性を中心に年々増加の一途をたどっています。
増加の要因として、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下する更年期以降に特に多く見られることが挙げられます。エストロゲンには、骨の新陳代謝に際して骨吸収を緩やかにし、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制する働きがあります。閉経により、このエストロゲンの分泌量が減少すると、骨吸収のスピードが速まるため、骨形成が追いつかず、骨がもろくなっていきます。そのため、閉経を迎える50歳前後から骨量は急激に減少し始めるのです。自覚症状が現れにくいこともありますので、50歳を迎える前に骨粗しょう症の検査を一度お受けになるよう、お勧めいたします。
このほかにも、偏食や極端なダイエット、喫煙や過度の飲酒なども骨粗しょう症の原因と考えられており、最近は高齢の女性だけでなく、若い女性の骨粗しょう症も問題視されています。

骨粗しょう症の検査について

骨粗しょう症の診断にあたっては、骨密度検査をはじめ、骨代謝マーカーの検査、X線検査、身長測定などが行われます。当クリニックでは、主に骨密度測定装置(DEXA)を用いた骨密度検査による診断を行っています。

DEXAによる検査とは

全身型の骨密度測定装置(DEXA)を当クリニックでは導入しており、この装置を用いて骨密度を測定し、DEXA法による検査を行っています。
DEXA法とは、二重エネルギーX線吸収測定法とも言い、高低2種類のX線を測定部位に照射して、その透過度をコンピュータで解析し、骨量を調べる方法です。同法では、骨量を単位面積で割った値で算出し、「骨密度」として表します。骨密度とは、骨の強さを判定する診断基準のひとつであり、その尺度は健康な成人の骨密度(20~44歳)を100%とした場合、検査を受けている方が現状どれほどの骨密度であるかを算出します。検査の結果、70%未満と判定された場合は骨粗しょう症の疑いがあると言われています。
なお、測定する骨は、主に腰椎(腰の骨)、大腿骨頸部(太ももの付け根部分の骨)などです。検査自体は短時間で済むうえ誤差が小さく、放射線の被爆量も少ないので、安全性という面からもお勧めできる検査方法です。

その他の検査方法

骨粗しょう症の診断は骨密度検査以外にも、以下の検査が行われます。

骨代謝マーカーの検査

血液や尿によって「骨代謝マーカー」を調べることにより、骨吸収と骨形成のバランスがわかります。このバランスが崩れると、骨は弱くなります。また、骨吸収を示す骨代謝マーカーの高い人では、骨密度の低下する速度が速いため、骨密度の値にかかわらず、骨折リスクが高くなっています。

X線検査

主に背骨(胸椎や腰椎)のX線写真を撮り、骨折や変形が無いか、また「骨粗しょう化」の有無、つまり骨に鬆(す)が入ったようにスカスカになっていないかどうかを調べます。骨粗しょう症と他の疾患との鑑別に必要な検査です。

身長測定

25歳時点の身長と比べて、どのくらい縮んでいるかを調べます。25歳の頃より4cm以上低くなっている場合は、それほど低くなっていない人と比べ、骨折リスクが2倍以上高いという報告があります。

予防と治療について

骨粗しょう症の発症には、老化や閉経以外にも食事・運動習慣などが大きく関与しています。そのため「骨の生活習慣病」とも言われており、食事・運動療法もこの疾患の予防と改善には欠かせません。ただ、骨粗しょう症の診断を受けた場合は、治療の中心は薬物療法となります。

食事療法

骨粗しょう症の治療や予防に必要な栄養素は、骨の主成分であるカルシウムやたんぱく質、および骨のリモデリング(代謝回転)に必要なビタミンD・Kなどです。
カルシウムは食品として700~800mg/日、ビタミンDは400~800IU/日、ビタミンKは250~300μg/日を摂取することが推奨されています。これらの栄養素を積極的に摂りながら、しかもバランスの良い食生活を送ることが大切です。
なお、アルコールやカフェイン、リン(スナック菓子やインスタント食品)などは、摂り過ぎに気をつけたい食品です。過ぎた量のアルコールを摂取すると、カルシウムの吸収を妨げたり、尿からのカルシウムの排泄量を増やしたりします。カフェインもまた、カルシウムの排泄を促します。リンを摂り過ぎると、血液中のカルシウムとリンのバランスを保とうとして骨の中のカルシウムが血液中に放出されてしまい、骨密度の減少を招きます。

リモデリング
骨を壊す働きをする破骨細胞が骨を吸収する一方で、骨をつくる働きをする骨芽細胞が、破骨細胞によって吸収された部分に新しい骨をつくる代謝作用。

積極的に摂りたい栄養素を多く含む食品
カルシウム
牛乳、乳製品、干しえび、しらす、ひじき、わかさぎ、いわし、ししゃも、大豆製品、えんどう豆、小松菜、モロヘイヤ など
たんぱく質
肉類、魚類、卵、乳製品、大豆製品 など
ビタミンD
あんこうの肝、しらす干し、いわしの丸干し、すじこ、鮭、さんま、かれい、うなぎ、煮干し、干し椎茸、きくらげ など
※適度に紫外線に当たると体内でビタミンDがつくられ、カルシウムの吸収を良くします。
ビタミンK
納豆、抹茶、ブロッコリー、きゃべつ、サニーレタス、モロヘイヤ、しゅんぎく、おかひじき、小松菜、ほうれん草、菜の花、かいわれ大根、にら など

運動療法

運動による体重負荷をかけることで骨は丈夫になります。さらに筋肉を鍛えていくと体をしっかりと支えられるようになるだけでなく、バランス感覚も向上して転倒防止にもつながります。骨量を増やすには、散歩ほどの運動でも十分効果があります。可能であれば毎日、あるいは週に数回でも、長く続けていくことが大切です。

薬物療法

病状が進行している場合は、食事療法や運動療法に併せて薬物療法も行います。なお、骨粗しょう症で使用する主な治療薬は以下の通りです。

主な骨粗しょう症の治療薬
骨の破壊を抑制する薬
ビスフォスフォネート製剤 骨吸収を抑制することによって骨形成を促進し、骨密度を増やします。特に有効性の高い治療薬で、現在、骨粗しょう症治療の第一選択薬です。ビスフォスフォネートは腸で吸収され、すぐに骨へと届きます。そして破骨細胞に作用し、過剰な骨吸収を抑制するのです。すると骨形成が追いついて、密度の高い骨ができてきます。
選択的エストロゲン受容体作動薬(SERM) 骨に対しては、女性ホルモンのエストロゲンに似た作用があり、骨が壊れるのを抑制し、骨量を増加させます。
ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤(デノスマブ) 骨を壊す細胞をできにくくして、骨の破壊を抑制します。すると骨量が増え、骨折リスクが減少します。この薬の特徴は、6ヵ月に1回の皮下注射で済む点です。
骨の材料を補う薬
カルシウム製剤 食事によるカルシウムの摂取不足、乳糖不耐症の方、胃腸の手術後などに用いられます。多くは、他剤と併用されます。
活性型ビタミンD3製剤 活性型ビタミンD3には、腸管からのカルシウムの吸収を促して体内のカルシウム量を増やす働きがあります。また、骨形成も促進します。
ビタミンK2製剤 ビタミンK2は骨芽細胞に作用することで骨形成を促進し、同時に骨吸収を抑制することで骨代謝のバランスを整え、骨の質を改善します。
骨をつくる薬
副甲状腺ホルモン製剤(PTH) 骨形成を促進して骨量を増やし、骨折を減少させる薬です。専用キットを用いて1日1回自己注射する薬と、週1回医療機関で注射する薬があります。骨密度が著しく減少しているなど、骨折リスクの高い患者様に用いられます。